【白井さんのエッセイ】「簡単でおいしくて見栄えのいい料理を・・・

2018年10月04日

 「簡単でおいしくて見栄えのいい料理を教えて下さい」と言われる方が年々増えています。レシピにせん切り・・・と書くと、「太くてもいいですか」と聞かれたり、編集者からは「材料は3種類までに・・・」と言われることも多くなりました。



 
先日は「高野豆腐をじっくり弱火で炊くとありますが、フライパンに並べて箱の中についているだしと調味料、水を入れて水分がなくなったら炒めてもいいですか、じっくり炊くのはめんどうだから・・・」という声も。いやいや高野豆腐はじっくり弱火で炊いてください。やわらかくじゅわーっと、だしと調味料が口に広がるおいしさを出すには、炒めてはダメですヨ。

野菜を切って、市販のドレッシングをかけたサラダや、チャッチャッと炒めて合わせ調味料をかけて作る料理になれてしまったのかな?ウーンどうしよう、おいしいと思う味が変わってきたのかしら。切って、ゆがいて、だしで炊いて、調味料を入れて、またじっくり炊いて、味を含めた煮物のおいしさはもう過去のもの?煮物では「インスタ映え」しないかなぁ。「おでんはコンビニで買うもの…」っていう時代がもうそこまで来てるのかしら…。

かける時間のわりに見た目が地味な煮物ですが、暑さも少し和らいで、コトコト炊くにはいい季節がやってきました。さて今夜は煮物にしましょうか。


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